FXの「ファンダメンタルズ分析」は、政治、金融政策、世界情勢などの要因を分析し、FX相場を予測する方法です。
これによって、相場変動の背景にある理由や要因を把握し、リスクを最小限に抑えることができます。
FXトレーダーは、ファンダメンタルズ分析を学ぶことで、市場の動向やトレンドを把握し、自己判断でトレードを行うことができます。
ファンダメンタルズ分析について

ファンダメンタルズ分析って意味あるのかな・・・?

取引スタイルによっては、とても大事になる分析方法の一つです
ファンダメンタルズ分析とは

FX取引において、戦略を立てるためには、「ファンダメンタルズ分析」が欠かせません。
ここでは、特に注目すべきファンダメンタルズの要素について詳しく見ていきましょう。
正しいファンダメンタルズ分析を行うことで、より効果的なFX取引が可能になるため、しっかりと理解しておきましょう。
① 経済指標
「経済指標」とは、政府や中央銀行が発表する、その国の経済に関するデータです。
経済指標は、経済の動向を見る上で重要なバロメーターとなります。
FXトレーダーは、下記の項目に注意しましょう。
- 米雇用統計
- GDP
- 小売売上高
- 鉱工業生産
- 景況感指数
米雇用統計では、特に非農業部門雇用者数に注目が必要です。
また、小売売上高や鉱工業生産からは消費者動向が分かります。
景況感指数は景気の良さを表したものであり、「ZEW景況感指数」、「IFO景況感指数」、「米消費者信頼感指数」、「米ミシガン大消費者信頼感指数」の5つの項目に注目しましょう。
② 金融政策
「金融政策」とは、中央銀行が行う金融面の経済政策のことです。
政策金利や金融緩和引き締めの方針が代表的な例です。
金融政策によって大きく影響を受けるのはスワップポイントなので、スワップポイント狙いの取引をしている方は、金融政策に着目しましょう。
③ 要人発言
「要人発言」は、今後の金融政策を示唆することがあり、相場に大きく影響を与えます。
為替相場に関しては、「中央銀行当局者」、「経済官僚」、「財務官」の発言に注意が必要です。
要人発言は、各新聞社や情報ベンダーのホームページで確認できます。要人発言がないかチェックするようにしましょう。
④ 地政学的リスク
「地政学的リスク」とは、特定地域が抱える問題が世界的な経済に悪影響を与えるリスクです。
政治的、軍事的、経済的な緊張が高まることで発生します。
地政学的リスクは、各国の軍事・政治ニュースから確認できます。紛争やトラブルが多い地域は特に注意が必要です。
経済や投資の分野で活動している方は、地政学的リスクについて常に把握しましょう。
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の違いは?

「ファンダメンタルズ分析」と並んで、相場の分析方法の一つに「テクニカル分析」があります。
「テクニカル分析」とは、過去のチャートの動きから将来の為替相場の方向性を分析する手法です。
ファンダメンタルズ分析が経済・政治状況を重視するのに対し、テクニカル分析は価格データ・インジケーターなどの視覚的な情報を使って分析します。
FXで安定した利益を得るためには、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析をバランスよく活用することが必要なので両方の分析方法を使いこなして、FXで正確な予測を行いましょう。
ファンダメンタルズ分析はFXに必要?
FXにおいてファンダメンタルズ分析が必要ないという主張もありますが、実際にはFXに必要な分析方法です。
ここから、ファンダメンタルズ分析が不要だと考えられる理由について詳しく解説します。
① 短期トレードでは効果が薄い
ファンダメンタルズ分析は短期トレードにはあまり適していません。
理由は、相場に影響を与える経済・政治的な要因が短期的に影響を及ぼすことはほとんどないためです。
ファンダメンタルズ分析は中長期トレードに向いており、政治・経済的要素を重視することが少なくありません。
そのため、短期トレードを行う場合はファンダメンタルズ分析が必要ないかもしれません。
② テクニカル分析だけで十分という意見も
FXにはテクニカル分析だけで充分と考える人もいますが、ファンダメンタルズ分析が不要というのはテクニカル分析に熟練している場合に限られます。
また、テクニカル分析の方が得意な人にとっては、ファンダメンタルズ分析が必要ないと感じるかもしれません。
しかし、FXにおいて「ファンダメンタルズ分析」は重要な分析方法であるため、上手く併用することが大切です。
ファンダメンタルズ分析をFXトレードに取り入れるメリット

FX取引を行うのに、ファンダメンタルズ分析は必要不可欠な分析です。
ここからは、ファンダメンタルズ分析のメリットについて詳しく見ていきましょう。
① テクニカル分析を補う
FXにおいて、相場の変動要因は多岐にわたります。
テクニカル分析は過去の相場の動きから将来の相場を予測する手法であるため、突発的な出来事による相場の大きな変動をカバーできないことがあります。
そこで、ファンダメンタルズ分析が必要となります。
ファンダメンタルズ分析では、経済・政治情勢や各国の金融政策などの要因を分析することで相場の予測を行います。
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を併用することで、相場の予測精度を高め、投資におけるリスクマネジメントにもつながります。
②テクニカル分析とダブルチェック
FXの分析方法であるファンダメンタルズ分析とテクニカル分析は、両方とも中央銀行の金融政策を中心に考えられます。
これらは互いに補い合う関係にあるため、相場予測の精度を格段に高めるためには、両方の分析手法を組み合わせてのダブルチェックが必要です。
特にファンダメンタルズ分析とテクニカル分析で異なる相場の方向が出た場合は、投資の抑えや損失回避につながります。
そのため、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析のダブルチェックを行い、FXで勝率を上げましょう。
ファンダメンタルズ分析のための情報ソースは?

ファンダメンタルズ分析には多くの情報が必要になります。
そこで下記では、ファンダメンタルズ分析のための代表的な情報ソースを紹介していきます。
① 経済の情報専門サイト
世界中の経済状況に関するニュースを提供する専門サイトは数多くありますが、為替・市場情報に特化しているサイトとしては、「ブルームバーグ」や「ロイター」が代表的です。
ブルームバーグは世界最大の為替・市場情報サイトであり、多くのFXトレーダーが利用しており、情報の正確性や速報性に優れ、情報格差を解消するために必要不可欠です。
一方、ロイターは歴史ある通信会社であり、為替に関する情報が豊富に取り扱われ、世界中のニュースにも強く、政治や経済の動向に関する情報も豊富です。
FXトレーダーが情報で有利に立つためには、ブルームバーグとロイターの両方をチェックすることが重要です。
② 経済指標カレンダー
「経済指標カレンダー」は、主要国の経済指標の発表日を一覧化したものです。
このカレンダーを活用することで、FXにおいて重要な指標を簡単に確認できることはもちろん、FX業者によっては過去に発表された指標も確認できます。
経済指標カレンダーは「ファンダメンタルズ分析」において非常に役立つツールです。
重要な経済指標の発表日を把握することで、相場の動向を予想することができます。
FXトレーダーにとって欠かせない情報ソースです。
③ 新聞やニュース
ファンダメンタルズ分析に必要な情報は、一般の新聞・ニュースでも確認できます。
重要な出来事は必ず取り上げられるため、軽視してはいけません。
新聞・ニュースでは、内容が詳細に掘り下げられた記事・解説も多数あります。また、簡単に入手できるところも利点のひとつです。
ファンダメンタルズ分析には、新聞・ニュースから得られる情報を活用することが大切です。新聞・ニュースをこまめに確認し、トレードに役立てましょう。
④ 要人SNS
公式発表とは異なりますが、要人がSNSで発信する情報は非常に貴重です。
政策や方針、思想など、要人の考え方を知る上で欠かせません。
SNSは最も早く情報を入手できるため、要人のSNSをチェックすることで相場変動の予想に役立つ情報を手に入れることができます。
ただし、要人の人柄にも注意が必要です。要人の性格や性質を踏まえつつ、適切なタイミングでSNSをチェックするようにしましょう。
⑤ スマホアプリ
FXの世界では、正確な情報に素早くアクセスすることが非常に重要です。
しかし、自分で情報を収集するのは非常に困難な場合があります。
そこで、スマホアプリを活用することで、様々な情報に素早くアクセスできます。
スマホアプリを使うと、プッシュ通知によって重要な情報を見逃すことがありません。
また、アプリで欲しい情報を簡単に検索し、正確な情報を入手することができます。
スマホアプリを活用して、正確な情報をいち早く入手しましょう。
ファンダメンタルズ分析の注意点

ファンダメンタルズ分析はFXに欠かせない分析方法です。
ここからは、ファンダメンタルズ分析をする上で、注意すべき点を詳しく見ていきましょう。
① 短期トレードには向かない
ファンダメンタルズ分析は、短期トレードには向かないことが少なくありません。
その理由は、相場に影響を与える出来事が短期間で起こることは少なく、相場の変動が時間をかけて現れるためです。
つまり、ファンダメンタルズ分析はむしろ、中長期的なトレードに向いています。
短期トレードをする際には、テクニカル分析を活用したり、相場のトレンドに注目したりすることが重要です。
ファンダメンタルズ分析を取り入れる場合には、中長期の見通しを持つことが大切です。
② FX相場に影響がない時も
FX市場において、分析した政治・経済的な出来事が相場に大きな影響を与えない場合があります。
そのような場合には、集めた情報を必要以上に重要視せず、相場の動向について客観的に判断することが重要です。
しかし、小さな影響が相まって相場の流れを形成することもあります。
これを踏まえて、ファンダメンタルズ分析では、集めた情報が相場にどの程度の影響を与えるのかを正しく把握することが重要です。
過去の相場の動きや同じような出来事が過去に相場に与えた影響を調べることで、より正確な予測を立てることができます。
相場分析においては、情報の重要性を正しく評価し、客観的な分析を行うことが大切です。
③ チャートにすでに影響が織り込み済みの場合も
ファンダメンタルズ分析は、相場に影響を与える出来事から今後の相場の動きを分析する方法です。
しかし、出来事が起こった時には、その影響が相場に反映されている場合があります。この状況を「織り込み済み」と呼びます。
織り込み済みの影響がある場合、実際の相場の動向がファンダメンタルズ分析の結果と異なることがあります。
そのため、現在のチャートが織り込み済みかどうかを見極めることが重要です。
過去のデータとともに、今後の出来事の影響を考慮することで、より正確な予測を立てることができます。
相場分析においては、織り込み済みの影響を見落とさないように注意しましょう。
④ 希望的観測・私情を挟まない
ファンダメンタルズ分析においては、希望的観測や私情を挟まず、客観的な情報収集・分析が必要です。
主観的な判断をする必要がある局面もあるため、情報収集・分析の時点で自分に都合の良いように解釈することは避けるようにしましょう。
ファンダメンタルズ分析には客観性が求められるので、しっかりとした情報収集・分析を行い、冷静な判断をすることが重要です。
成功に近づくためにも、希望的観測や私情を排除し、客観的なアプローチを心がけましょう。
ファンダメンタルズ分析でより根拠あるFXをしよう

FXにおいて必要不可欠な分析方法である「ファンダメンタルズ分析」は、相場の動向をある程度予想するために利用されます。
テクニカル分析と組み合わせることで、より精度の高い予想が可能です。
ファンダメンタルズ分析を活用することで、より根拠のあるFX取引ができます。
是非この機会にファンダメンタルズ分析を学び、FX取引で利益積み上げを加速させましょう。